風山美久里です。
みなさんの中にも、クラシック音楽と聞くと ”高尚な” とか ”取っつきにくい” とか ”よくわからない” とか ”もともと興味がない” みたいにはなっから敬遠される方もおいでになると思いますが、私たちが日頃から何気なく聴く音楽、たとえばドラマの挿入歌やコマーシャルソングの中にもよく知られたクラシック音楽のメロディーがあふれていると思うんです。
ところで、あまり知られていないクラシック曲の中に胸をときめかせるメロディーであったり、日本人の魂を揺さぶるようなハーモニーを奏でる曲があるんですが、今回はその中からベートーベンの弦楽四重奏曲第七番の第三楽章を紹介したいと思います。
ベートーベンは全部で16の弦楽四重奏曲を作曲してるんですが、前半はすべて四楽章形式をとり、その第二または第三楽章に緩徐楽章をおいています。そのいずれも味わい深いものですが、特にこの第7番は非常に哀愁を帯びたメロディーラインを二つのヴァイオリンとビオラおよびチェロが次々と歌い上げて他の弦がそのメロディーを美しく支えながら、清らかな時の流れを感じさせる進行で、思わず涙がこぼれそうになる傑作だと思います。ヴァイオリンとビオラとチェロ、それぞれの楽器の旋律美が一つの曲の中に濃縮された一曲です。
さて、大人から始める弦楽器と言うことで本題に入りますね。この弦楽四重奏をつかさどるのは、ヴァイオリン2本、ビオラ、チェロというふうになるわけですけど、以下にその主な使用音符記号とそれぞれの楽器の開放弦の関係を示してみました。
上下二つの五線上に三つの音符記号の位置関係と、低いドの音から高いドの音までと、ヴァイオリン、ビオラ、チェロの開放弦の位置関係と示してあります。それぞれの弦楽器の開放弦は低い音から高い音まで五度の間隔に定められていて、ヴァイオリンは低い方から順にソ→レ→ラ→ミ、ビオラはヴァイオリンの最低音のソより五度低いドから始まり、ド→ソ→レ→ラ、チェロはビオラより1オクターブ低く、同じくド→ソ→レ→ラ、これがそれぞれの開放弦の音程です(誰でも知っているけど)。
見ての通り、ヴァイオリンとビオラの開放弦ではソ→レ→ラで共有しており、したがってこれらの弦上では両弦楽器の運指は共通しているということで非常にわかりやすいです。ただ、ビオラの楽譜はその音符記号がハ音記号のため、初心者に対してはそれがすべてをわかりにくくしているのではないかな。ビオラに興味があるけどハ音記号がちょっと、というひとも上の図を参考にしてあまり難しく考えずに。意識改革をすれば(何でもそうだと思うけど)ああ、なあ~~んだ、と思うようになって視界が開けると思います。
チェロの開放弦はビオラより1オクターブ低いので運指表は全く同じになるんだけど、おさえる指番号が楽器の大きさの関係で少し違うだけなんですね。
こうしてみると、この3つの弦楽器って結構似てるところがあって、やろうと思えば一人で3種類の楽器をこなし、別々に収録して統合し、一人多重録音による弦楽四重奏なんて言うのも可能なんじゃないかなって思ったりして。
実は僕、30歳の時に初めてヴァイオリンを触ったんです。そして篠崎ヴァイオリン教本の第一巻よりスタート。もちろん地元のヴァイオリン教室に通いながらですけど。でもヴァイオリン教室って先生によって全くといっていいほど指導方法が違うので、子供から大人の生徒まで先生の指導方法や生徒が感じる相性一つで大きく上達のスピードが変わってくると実感してます。
さて、それから4~5年たって篠崎ヴァイオリン教本の4巻の頃に同じ教室でチェロも始めたんです。というのもその頃になるとその教室では子供から大人まで結構ヴァイオリン人口が増えてきたんですけど、発表会などで弦楽アンサンブルをするのに低音楽器がなかったんですね。というわけで自分が低音を支えようかと。まあなんとか簡単な曲ぐらいはヴィブラートも交えて出来るようになったつもり。いずれこのブログでもご紹介をしたいなとは思っています。
さあそして、人ってこんなところにも欲が出るのかビオラにも手を出してしまいました。これは全くの独学です。とにもかくにもこれで三種類の弦楽器を一応演奏できるというか、扱えるというか、まあ一人アンサンブルの下地は出来たかな。もっともその頃は一人多重録音なんて考えもしてなかったんですけど。
その後ずいぶん経ってから、オリジナルな歌のハモリを家内が習ってるピアノの先生と始めたときに、ちょっとしたホール感覚で収録できる機械を購入して唱歌から現代ポップスまで幅広く収録してきたんです。でも、よく考えれば楽器のハモリだって出来るぞ、ということで近々一人多重録音による弦楽合奏(二重奏、三重奏および四重奏)に挑戦しようと思ってます。前述の歌のハモリも含めていいのが出来たらご紹介していきますね。
コメントを残す