こんにちは、風山美久里です。
今日は、ビオラについても少し考えてみたいと思います。以前お話したヴァイオリンの運指図をもう一度お示ししました。それによると、ハ長調からみて#が1つ増えるごとに運指の形が右に1つ移動し、♭が1つ増えるごとに運指の形が左に1つ移動していく、と覚えることで、各長音階の運指の形が覚えやすくなるというものでした。
ビオラにおいても同じ関係が成り立つことは左の図を見ていただければわかると思いますが、ヴァイオリンとビオラの運指の関係はどうでしょう。
ビオラのハ長調の運指の形はヴァイオリンの図でみるとト長調と同じ形であることがわかります。同じようにビオラのト長調はヴァイオリンのニ長調、ビオラのヘ長調はヴァイオリンのハ長調、ビオラの変ロ長調はヴァイオリンのヘ長調と同じで、ビオラ図の斜め右上のヴァイオリンの運指と同じ形になります。
すなわち、ビオラの長音階の運指の形というものは、同じヴァイオリンの長音階の5度下のヴァイオリン運指と同じと言うことで、これも覚えやすいですよね。よくよく考えればビオラはヴァイオリンの5度下の開放弦をもっているので、当然といえば当然なのですが。
さて、弦楽器というのはヴァイオリン、ビオラ、チェロ、ダブルベースのいずれも4本の弦で構成された楽器ですが、これを仮に5本の弦で構成された仮想ヴァイオリンがあって5本目の弦は G線より低いほうに設置されていたとしますと、各弦の間隔は 5度に設定されていますので、5本目の弦は C線ということになります。それを図示したのが左図で、運指はハ長調の音階を示しています。
こうして見るとビオラって弾きやすい楽器のように思えてきませんか。本当は弾きやすい楽器で、もっともっとファンが増えても良さそうなのですが、それをさまたげているのがハ音記号での楽譜の表記ということになります。でも、以前にお示しをしたト音記号、ハ音記号、ヘ音記号の関係をもう一度確認してみてください。各音程の位置関係ってわかりやすいですよね。ビオラってヴァイオリンともチェロとも違った独特の音色を響かせてくれるだけに、もっともっと挑戦していってほしいと思います。ちなみに楽譜表記に関してはハ音記号を用いずに、ト音記号の楽譜の低音部に下第 1線、第 2線、第 3線………と書き込み、とりあえずその状態で練習するのも一つの方法だと思います。ハ音記号はあとで正位置に張り付けてみると「なあんだ~、そうか」ってな具合に理解が進むかもしれませんね。
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