こんにちは、風山美久里です。
ヴァイオリンを志す人にとって教則本は必須のものですが、本来はヴァイオリン教室に通い、先生の指示する教本を進めていくものであることは間違いありません。幼いころから始める場合はまさにその通りなのですが、大人から始めてそこそこ弾けるようになった頃、教室の教本だけでは何か物足らないと感じるようになることってあると思うんです。そこで、今回は大人からヴァイオリンを志しておられるみなさんにヴァイオリン関係の教本や、書籍、雑誌などをご紹介するとともに、それらの書物を利用してレッスンを進めていくための順序や考え方などのついてお話していこうと思います。
1.篠崎ヴァイオリン教本とカイザー教本
まずはじめに篠崎ヴァイオリン教本ですが、はじめて楽器を手にしてヴァイオリンを習おうという場合、10人中9人の先生はこの教本を使われるのではないかと思います。一巻から四巻まであり、それぞれの演奏技巧を習得するための説明文はあることはあるんだけど、いろんな種類のボーイングに関しての説明に乏しいです。もう少し突っ込んだ補足がないといくら大人でも初心者や素人から始めるとなるとなかなかはかどらないのではないかなあ、と思います。なにせ大人は頭で考えていろんなことを身につけていこうと考えますので。そういうことでなかなかよくできた教則本なんだけど独学ではなかなか進まないと思います。ということで篠崎教本やカイザー教本を教科書と考えるなら、ぜひ参考書を携えていたほうが良いと思いますので、僕が愛用している書物を紹介しておきますね。
もうひとつ、第二巻の中盤あたりからカイザー教本の第一番から第三十六番までが短縮版で順番に出てきます。本元のカイザー練習曲はそれぞれがけっこう長いんですが、技術を習得するのに長い曲はエネルギーを消耗するだけであまり意味がないということらしいです(初めてヴァイオリンを習いに行った先生がそのようにおっしゃっていました)。それはそれで理解できるんですが、将来変奏曲や協奏曲に取り組もうと思うならば、やはり早い時期からそれなりに長い曲に慣れていったほうがよいとおもいます。ですので、第二巻のカイザー練習曲からは本元のカイザー教本を併用して、篠崎ヴァイオリン教本ではそれぞれの課題曲を進めていくのがいいのではあーりませんか。
2.ヴァイオリンを志す者にとってこれだけはやっておくべき曲(中級者)
① ダンクラの6つのエアバリエ
② アッコーライ ヴァイオリン協奏曲ト短調
③ ヴィオッティ ヴァイオリン協奏曲23番
④ コレルリ ラ・フォリア
⑤ ローデ ヴァイオリン協奏曲8番
日々のヴァイオリンの練習では左手と右腕のボウイングの慣らし運転のためにフリマリーの音階教本の中から適当なものを選んで準備練習をし、そのあと左指の運指練習やスケールとアルペジオ(分散和音)の練習にセヴィシック教本の主にOP1を使って、十二分に基礎練習を積みます。そして、各個人の進行度に合わせたカイザーなどのエチュードに取り組み、さらに上に挙げた必修作品をじっくりと進めていくのがよいと思います。なお、必修作品以外にも鈴木ヴァイオリン教本や新しいヴァイオリン教本からも進行に合わせた曲目を練習しておくことをお勧めいたします。
3.参考書
今まで述べてきたのは、学校の勉強過程でいえば教科書と問題集にあたるもので、授業にあたるレッスンが終わって自分で予習、復習するにあたり、やはり参考書なるものがないと疑問が湧いたとき次のレッスンまでその解決を待つなんてもどかしいですよね。次に挙げるのは初級、中級の学習者が重宝するものですので参考にしてください。
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